実践図解の型

【ビジネス実用図解】課題を抽出・解決するためのパワポ資料のつくりかた

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ビジネスの現場では役職/職種に関係なく課題解決力が求められます。
目標に到達するためには、今よりも更にうまくやるためには何をすればいいのだろう。
これを自ら考え、周囲を巻き込み実行する力を持っている人が評価されるのがビジネスの現場です。
といったように「課題解決力は全社会人共通の必要スキルだ」とかいいつつ、それをどのように実行すればいいのかは会社に入っても教えてもらえないことが一般的だと思います。

そこでこの記事では課題解決の前段となる「課題を抽出」をするために有効なパワポ資料の作り方を説明します。

コンサル会社等で勤務経験のない方を対象に「これで全部じゃないけどまずはこれだけ知っておけば結構戦えるよ」という内容になっています。

まずそもそも「課題」とはなにか?

いきなりですが“課題”って何でしょうか?

学校で課題といったら「宿題」に近い意味合いで使われていましたよね。課題図書とか。

まず“課題”という言葉の意味を揃えないことには課題解決は進められません。

しかしながらコンサルティング会社以外の環境だと、みなさんそれぞれちょっとずつ違った定義で課題という言葉を使っている気がします。

「課題」という言葉の唯一無二の共通の定義はありません。
(だから上記のような状況になっているわけですが・・・)

この記事内ではシンプルに

課題=理想と現状のGAP とします。

■課題を整理するための図解/資料整理方法

前述の通り、課題とは理想と現状に潜むギャップのことですから、あなたが「よくしたい」と考えている対象の「理想を描く+現状を捉える」必要があります。

対象の理想と現状を整理するおすすめの「型」

どんな物事でも「どこに問題があるのか?」「どこを伸ばす余地があるのか?」を考える際には「分解して考える」必要があります。

「じゃあどんな風に分解すればいいのよ??」

という話なわけですが、正直すべての事象を整理するために有効な整理の万能型というのは存在しません。

(※そんなものがあったら世の中でこれだけ戦略コンサルという存在が崇められている状況にはなりませんからね。)

しかしながら、「結構この整理の型で通用するよ」というおすすめの型は存在します。

それが『時系列で分解する』です。

※以前投稿したフロー型図解の解説記事が参考になりますので、まだの方はこちらご一読いただくことをおすすめします。

架空の例を使いながら解説します。

『時系列で分解する』型 実例解説

例えばあなたがクラウド管理ツールを販売する会社の営業に携わる人間だとします。
目標は未達。どこかしら改善ポイントはありそうだが、それがどこだかはわかっていない。

そんなときには下記のように自分の部署の業務フローや、顧客に提供している価値を時系列で分解して図にしてみます。

・まずは現状の流れを書き出す

やってみようとすると以外と苦戦するかもしれません。
意外と「自分がどんなことをやってるか説明する」というのは難しいことです。
さっと出来なければ、箇条書きでもいいのでざっとやっている仕事の流れを具体的に全部書き出して、プロセス単位で「このプロセスってつまり何をやってるんだっけ?」と抽象化を試みます。

上記の例でいえば、

・現状の業務がうちの商品に置き換わったらどんな状況になるかを機能単位で色々説明してる
▽抽象化すると
・商品導入の効果の理解

という感じですね。

・次は各プロセスに対する理想を描きます

ここはやったことがない人にはちょっと難しいです。このステップが一番むずかしいので根気強く取り組みましょう。

今の自分達の実力では無理とか、やり方が思いつかない、とかそういった考えをあえてこの段階では持たないのがコツです。(それをやるのは後です)。
「そりゃそうなるのが一番いいよ」と感じる状態を“理想状態”として記載します。

・次に現状を記入

「どのようにそのプロセスを実施しているか」を少し抽象的に捉えることがコツです。

※〇〇システムから〇〇を抽出して□□の項目に△△のフラグがたっている顧客に架電する。のような粒度でなく、“〇〇に興味のありそうな顧客に架電”のような粒度。

上記の例を参考にしてください。

「現状の”イケてない”と感じるところ」という目線を持つと書き出しやすいかもしれません。

・理想と現状とのギャップをみてそのギャップを埋める方法=施策を考える

ここまでできたらもう完成みたいなもんです。
理想の状態に近づけるための方法が「施策」なので、図の中に施策を追加し、有効と思える内容を記載します。

これで課題抽出と解決案の洗い出しが完了です。
あとはこの中で特に有効そうな施策をピックアップし、実行することで課題解決が進んでいきます。
これが必殺『課題整理の型』です。

応用)MTGでディスカッションするために論点を事前整理

基本的にビジネスの現場の課題解決はあなた一人で取り組むものでなく、チームや部署のみんなで取り組むことになると思います。
そのため上記の課題整理→施策ぎめの際してMTGが持たれることでしょう。

このときのあるあるが、誰も事前整理なく
「よし、目標達成のための課題解決PJTを立ち上げよう。何する?」
とか言い出してもMTGは思うように進まないパターンです。

そこであなたが前述のフローで、一旦仮でいいのでフローの整理・理想現状の設定、施策案の提示までしておくと、

それを土台に

・このプロセスを追加しよう とか
・理想状態ってこうじゃないか?? とか
・こんな施策も有効だと思う

のようにMTG参加者から有効な意見がどんどん出てきて生産性の高い場になります。

例えばあなたがマネージャーで、「メンバーたちと力量が離れているが、ディスカッションには参加してもらい自分ごと化をしっかり図りたい」という場合などはこういった下準備が特におすすめです。

こういったケースで更にMTGを有効に進めるためには、「論点を事前に整理」しておくとよいです。

ここでいう「論点」とは「みんなでディスカッションして決めたほうがよいこと」的に捉えてもらえばよいです。
つまり、「もし私が作成した仮案どおりだとしたら、こういう点についてディスカッションしたほうがいいと思います」という内容をまとめておくということです。

一度でもこの整理をもとにしたMTGを体感すれば、逆になんの準備もなしにこういったMTGをする生産性の低さに耐えられなくなると思います。

手練のコンサルは、こういったMTG中にリアルタイムで上記のような整理表をズバズバホワイトボードに書き出したり、エクセルに記入していったりしますが、正直そういったリアルタイムのファシリテーションはかなり難易度が高いです。

最初は時間をかけてじっくりと資料化するのがおすすめです。

資料はもちろん最終的には他人とのコミュニケーションのためのものですが、作成の過程で自分の思考が深まります。

「部署の課題を解決する」

のような抽象的なテーマに挑む場合、資料化しながらじっくり考えること自体も価値になります。

社内向けのミーティングなのに資料なんかつくるなよ、時間の無駄だろ!」という意見もあるでしょうが、「結果的に資料化したほうが早いし・質も高い」という場面では積極的に資料をつくりましょう。

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