今回ご紹介するのはツリー型図解です。
パワポスライドに登場する基本図解の中でも特に頻出のパターンです。
この図解パターンは
・何かの内訳/構成要素を示す
というときに有効です。
その他の図解パターンと組み合わせることで結構複雑な対象物のまとめも可能になりますのでぜひマスターしておきましょう。
ツリー型図解の作り方
ツリー型図解は基本的に下記のような見た目のものです。
上記のようなツリー型に分解した図は一般的に「ロジックツリー」ともよばれます。
ロジックツリーとは、「ある物事を要素ごとに分解して考えるための図解」です。
ビジネス上のテーマ(売上を上げたい、等)は、要素に分解して「どこを改善・伸ばせばいいの?」を考えない限りはなかなか進みません。
逆にいうと分解して捉えればどこに着手すればいいのかが結構見えてきます。
参考:分解のパターンとツリー型と相性のよいもの
物事を分解するときは「モレ」とか「ダブり」がなくきれいに分解しましょうという「MECE(ミーシー)」を心がけることが必要です。
MECEに分解するパターンは主に3つを意識すればOKで、
1.対立概念でわける=男/女 、導入済み/未導入、成人/未成年
2.時系列でわける= STEP→1→2→3 、P→D→C→A、リード獲得→商談→契約
3.構成要素で分解=売上=単価×販売量 、成約数=商談数×受注率
2の分解を表現するには別記事でまとめた「フロー図」が参考になります。
※フロー図を解説した記事はこちらです。
上記のうち1と3の分解がこの記事で説明する「ツリー図」で表現ができます。
・パワポでの作り方/操作
見た目上はパワポの四角と線で構成されていますが、注意点は線の部分を「コネクタ」という特別な線を使って作成することです。
コネクタの使い方については過去作成した
「パワポで折れ線/矢印を曲げる図の書き方」で解説していますので、使い方がまだわからない方はこちらの記事をご覧ください。
活用場面1)ただ単純に内訳を示す
一番単純なパターンです。
何かの内訳を分解し、その要素について説明をします。
引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/193670
また、下記のように指標(KPI)を分解するときにも用いることが多いです。
もちろんこれだけでも図解としては有効ですが、ツリー図解は下記に紹介するように、
「ツリーで分解した上で、要素(に注目すべきか)を選ぶ」
という際に本領を発揮します。
このページではビジネスの現場でよく登場するケースである、
『目的を達成するための有効な施策を検討する』という場面を想定したツリー図の作成の手順と例をご紹介します。
ツリー図活用具体例)有効な施策を検討する
ここでは仮の例として「アプリのレビュー数値を向上させたい企業」がどんな施策を展開すべきかを検討している、という場面を想定してスライドを作成してみます。
1)まずは要素分解
『アプリのレビュー評価数値をあげるためにすべきこと』を分解して考えます。
一般的に平均数値を向上させる場面では
・プラスを増やす
・マイナスを減らす
で大分類をつくると考えやすいので下記のように考えてみます。
※本来MECEに分解するときに「その他」という分類はあまり登場しないほうがよいですがここはご愛嬌ということで。。
どうでしょうか。
こんな風に分類すると、全体的に想定される施策案がイメージしやすいですよね。
MTGなどで複数人で施策案を検討する際にもみんなの意見をただ単純に羅列するのでなく、上記のように分類すると意見がすりあいやすいと思います。
2)どの施策がいいか評価して選ぶ
施策は色々と思いつくものです。が、そのすべて網羅的に着手していたら時間がいくらあっても足りません。そのため『どの施策にフォーカス/実施すべきか』を選ぶ必要があります。
施策を選ぶ際には「なんとなく」ではダメです。
「こういう理由でこの施策にしよう」という選択方法がある程度理にかなっていないと周囲も納得しません。
そのため手法としては「施策の評価軸」を設定して、それをもとに評価をし、最終的に施策を選定します。
▽例えばこんな感じです。
上記の図では
・インパクト(想定される効果)
・着手のしやすさ
の2つが評価軸です。
それに対して ✕ △ ○ の3段階で評価をしました。
その上でスライドとしては下記のようにするとあなたの意見が整理されたメッセージとして伝わります。
前述の指標の分解例も下記のようなフォーマットにすることで、単なる分解でなく、考察→結論を導き出すことができる図解になります。
まとめ
ツリー型図解の解説は以上です。
この図解パターンをマスターするためには、同時に「ロジカルシンキング」を強化する必要があります。戦略コンサルで活躍しているようなコンサルタントレベルでの習得はかなり難易度が高いものですが、個人的には大部分をパターン認識(≒こういう場合はこうする、という経験則)でクリアすることができると感じています。
このページではよくある例として、目標を達成するための施策を考察する例をご紹介しましたが、今後これ以外のパターンも随時ご紹介する予定なのでどんどんあなたのPPTスライド図解引き出しにネタとしてためていってください。
いずれあなたもぱっと上記のようなスライドがストレスなくつくれるようになるはずです!